横綱審議委員会が24日、都内のホテルで開かれた。内山斉委員長(79)は、横綱白鵬(29=宮城野)が大相撲九州場所で大鵬に並ぶ歴代最多32回優勝を達成したことに関し「断トツに強すぎた。もっと上位で競り合っての勝ち星であれば評価できるのだが」と実力差のある中での記録であることを強調し、「顕彰など何かをという意見も出なかった」と続けた。

 場所中にはダメ押しなどで白鵬は注意を受けたが「ダメ押しや懸賞金の取り方など、態度が悪いという非難の声は出た。ただ、それは横綱自身が考える品位の問題。こちらから注意を促す問題ではない」との意向を示した。

 3敗の鶴竜(29=井筒)については「よく頑張ったと思う」と高評価。右眼窩(がんか)内壁骨折をおして強行出場した日馬富士(30=伊勢ケ浜)には「よく4敗でとどめたとは思うが、横綱たるもの2敗、悪くても3敗でしょう」と厳しかった。

 満員御礼が増え、人気回復を喜ぶ一方で「3横綱がいずれもモンゴル勢で、それが崩れないのがいささか物足りないところ。大関陣、日本人力士がはがゆいというのが、ファンのみなさまの共通した気持ちではないか」。来年初場所以降の日本人力士の奮起に期待を寄せていた。