大相撲初場所で横綱白鵬に超えられるまで史上最多の優勝32回を誇った元横綱大鵬の故納谷幸喜氏の夫人、芳子さんは29日、審判部の勝負判定を批判した白鵬の言動に「自分のことだけでなく、ただ勝つだけでなく、横綱として相撲界のことを考えて精進してほしい」と注文を付けた。

 芳子さんは同日、東京都江東区の施設に飾る大鵬の優勝額除幕式に出席した。

 白鵬の発言を聞いた感想を「言ってはいけないことだが、心のどこかにあったからパッと出たのでしょう。主人なら『前から(横綱の自覚を持てと)言っているだろう』と言ったと思う」と話した。

 大鵬は1969年春場所で連勝が45で止まった一番が誤審とされている。芳子さんによると、現役時代を通じて判定への不満は漏らさなかったそうで「『自分が悪かったからだ。頑張らなくては』と言っていた」と明かした。