野球賭博に関与して10年7月に日本相撲協会を解雇された元大関琴光喜の田宮啓司氏(38)が7日、都内でけじめの断髪式を行った。現役からは白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱や、佐渡ケ嶽部屋の弟弟子の大関琴奨菊らが参加。元大関小錦のKONISHIKIやタレントのデヴィ夫人ら約350人が訪れ、最後に貴乃花親方(元横綱)に止めばさみを入れてもらった。

 断髪中は涙を流していた田宮氏だが、式後は「すっきりした感じがある。寂しさは、何年間かでだいぶ薄れていましたから。最高の1日でした」と晴れ晴れとした表情で話した。止めばさみを引き受けてもらえた貴乃花親方には「相撲界に入ったときからずっとあこがれの人だった。すごく誇りに思います」と感謝した。

 田宮氏は日大で27冠を獲得し、佐渡ケ嶽部屋に入門。01年秋場所に平幕優勝を飾り、07年名古屋場所後には最年長31歳3カ月で大関昇進も果たした。

 解雇後は、角界復帰を目指して解雇無効などの訴訟を起こしたが、昨年2月の2審も「解雇は正当」と退けられ、断髪を決断した。

 現在は名古屋市内で焼き肉店を経営しているが「息子も相撲をしているし、本当に相撲、大相撲が大好き。何らかの形で恩返しできれば」と話した。