大相撲の横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)が9日、東京・平河町の都市センターホテルで開催された「第5回地域再生大賞表彰式」に出席した。

 共同通信と加盟新聞45社が、地域の再生、活性化のモデルとなる活動・団体を表彰するもの。日馬富士は第1部の表彰式後の、第2部のシンポジウムで「モンゴルと日本の地域づくり」と題した、約15分間の特別講演を行った。

 日馬富士は昨年4月に、法大大学院政策創造研究科に入学。その法大大学院の岡本義行教授が、今回の選考委員長を務める縁から招かれた。

 モンゴルの鉱物資源の採掘量などを記した、A4判の資料も配布し、史上初の「大学院生横綱」の面目躍如?

 となった日馬富士。ただ「緊張しちゃった。もっと話すつもりだったけど、上がっちゃった」と話すように講演の内容は、日本の精神文化に触れ「おかげさまで」という縦社会の重要性を感じたこと、感謝の気持ちを忘れないこと…といった精神論が大半を占めた。

 父からよく諭された言葉「人の信頼を裏切るようになったら、死んだことと一緒」を出して「モンゴルの子どもたちに日本の歴史、文化を伝えたい」と“親善大使”役を買って出る構え。大学院に入り「福沢諭吉の『世を治め民を救い』の言葉に感動しました。日本とモンゴルのかけ橋になって、経済だけでなく、人と人が信じ合って、もっと仲良くなれたら」と話した。