横綱朝青龍(27=高砂)が若手の“アニキ”になる!?

 1日、東京・墨田区の高砂部屋で、境川部屋の平幕豪栄道(22)と豊響(23)の出げいこを受けた。久々の関取の来訪にハッスルし、弟弟子の朝赤龍(26)を含む3人と申し合いで16勝1敗。全力で向き合い、40分かけて出向いた労に報いた。今後も部屋に来る力士は弟分として、自分の相撲を伝授する考えまで明かした。

 朝青龍が出げいこに訪れた若い2人に全力をぶつけた。得意の張り差し、速い立ち合いと厳しい当たり。途中で「おうっ!」と叫んで気合を入れるなど、昨年の騒動以来、東京の部屋には初めて迎える“挑戦者”に12番胸を出した。ダメ押しや荒技はなくすべて力勝負の正攻法。「来てくれてうれしいね。土俵上では対戦相手でも、来てくれれば、かわいい弟分。何でも教えてやろうと思うね」とすっかりアニキ気分だ。

 さらにこの日は高砂親方(元大関朝潮)が所用で不在だったため、親方代理として、けいこ全体も仕切るハッスルぶり。豪栄道には自身のトレーニング方法である45キロのサンドバッグを抱えてのスクワット、豊響にはサンドバッグを抱えて腰をひねる運動を、手本を見せながら教えた。

 昨年夏場所前に豊ノ島を病院送りにするなど、時に荒っぽい取り口になることを敬遠してか、高砂部屋に出げいこに来る力士は少ない。逆に自ら出げいこに行く形が続いていた。出げいこは本来、格下の力士が強い相手の元へ出かけるもの。今回は1月、3月と本場所前に朝青龍が境川部屋に出向いたことから、境川親方(元小結両国)が高砂親方に「今度はこちらから行く」と申し出て実現した。

 豪栄道が「横綱は速くて重い。勉強になります」と言えば、豊響も「張り差しに慣れないと」と、それぞれに収穫を得た様子。プロ野球阪神では金本知憲、競泳界ではアテネ五輪銀メダリストの山本貴司が精神的支柱になった。朝青龍も角界の「アニキ」になれるか-。【来田岳彦】