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青い目のサムライ栃ノ心3連勝/夏場所

琴春日(右)を寄り切る栃ノ心(撮影・神戸崇利)
琴春日(右)を寄り切る栃ノ心(撮影・神戸崇利)

<大相撲夏場所>◇3日目◇13日◇東京・両国国技館

 新たな「青い目のサムライ」が夏場所の台風の目になる。史上10位の13場所でスピード入幕した栃ノ心(20=春日野)が、史上2位、91場所のスロー入幕の琴春日(30)との新入幕対決を制し、初日から3連勝とした。06年の入門から春日野親方(元関脇栃乃和歌)の特別扱い一切なしの厳しい指導に真っ向から取り組んで成長。年内の3役は確実と言われる無名の大器が快進撃を続ける。

 立ち合いで下に潜り込まれても栃ノ心はあわてなかった。相手の寄りを耐えて反撃。もろ差しで相手のまわしをつかみ、落ち着いて寄り切った。「まわしが取れたからね」と自分の形になれば勝って当然と言わんばかりだった。

 土俵下の審判席から見守った春日野親方からも「そこそこやるとは思っていたが、今日も立ち合い十分じゃないのに勝てるすごさがある。どんな状況でも安易に引かず、前に出る意識がいい」と力を認められた。

 06年の入門後、親方の方針で特別扱いは一切受けなかった。言葉が通じない中でのけいこも、和風の食事も他の力士と同じ。その環境に耐え、日本語も覚えた。「気持ちで負けないことに気をつけている」と自然に口にする。これまでの欧州勢は立ち合いの変化など目立ったが、栃ノ心は愚直に前に出る相撲。親方の「日本人より日本人らしい相撲をとれ」という教えを守っている。

 入幕という大きな目標が栃ノ心の忍耐を支えた。母国グルジアでは衛星放送で相撲が録画中継されるが、幕内だけ。初日は日本時間の12日に放送され、ようやく自分の勇姿が母国に流れた。「午前2時とか深夜の放送なのに、目が覚めたら両親からメールが入っていた」と喜んだ。親方からの入幕祝いで、6月に1年半ぶりの帰国を許可された。やる気は増すばかりだ。

 関係者の間では、実力を認められつつあるが、一般のファンにはまだ、なじみが薄い。「巡業でも『琴欧洲!』って言われるんだ。(パンフレットの)大関のページを開いて『サインください』って言われると、ちょっとムッとするね」と不満顔。新入幕場所で大暴れして「栃ノ心」をファンの心に刻み込むつもりだ。【来田岳彦】

 [2008年5月14日8時41分 紙面から]


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