<大相撲夏場所>◇5日目◇15日◇東京・両国国技館
かど番大関琴欧洲(25=佐渡ケ嶽)が、初日から5連勝とした。今場所好調な小結朝赤龍(26)の両まわしをがっちり引きつけ、落ち着いて寄り切った。1969年(昭44)に規定ができて以来、今場所まで109回のかど番で、初日から5連勝以上した大関は全員脱出に成功している。今場所は、下半身が安定するスタイルに修正して自信をつけ、残留どころか、久々に優勝争いにからむ勢いだ。
琴欧洲が鋭い立ち合いで左を差すと、右上手もがっちり引いた。朝赤龍が体を揺さぶり、必死で逃げようとしてもあわてない。両まわしを引きつけ、落ち着いて寄り切った。「立ち合いがよかった。投げに行くと危なくなるので、前に攻めていった」と得意の投げで勝ちを急がず、我慢して、じっくりと攻め切った。
今場所の強さは、下半身が安定したことが最大の理由だ。場所前のけいこで、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)自ら土俵に降りて、立ち合いの2歩目で内側に踏み込む点を修正した。レスリング時代のくせで、半身になってしまい、せっかくの202センチ、155キロの体を生かせていなかった。しっかりと外に踏み出して、またを開くことで腰も下がって、下半身が安定する。「先代(元横綱琴桜)のころから言われていたが、ようやく今、できつつある」と親方も成長を認める。本人も「あのアドバイスが効いたと思う」と手応えをつかんだ。
かど番初体験の今年初場所は、陥落の恐怖からいつも不安そうな顔をし、自分で自分を追い込んでいる状態だった。ところが今場所は「1日1日です」と自分に言い聞かせるように繰り返す。かど番の重圧も、星勘定も捨てて相撲に集中することで、優勝争いに加わっていたころの強さが戻ってきた。【来田岳彦】

