稀勢にホレた!館内歓声NO・1/夏場所
<大相撲夏場所>◇6日目◇16日◇東京・両国国技館
小結稀勢の里(21=鳴戸)が、小結朝赤龍(26)をすくい投げで退け、5勝目を飾った。全勝の横綱白鵬(23)大関琴欧洲(25)を1差で追う和製横綱候補の快進撃に、館内では女性ファンから黄色い声援も飛び始めた。7日目は前半戦の天王山ともいえる琴欧洲戦。大相撲ファン、協会幹部からの期待も日に日に高まり、勝てば稀勢フィーバーも起こるムードになってきた。横綱朝青龍(27)は、前頭旭天鵬(33)を破り、1敗をキープした。
稀勢の里が朝赤龍との投げの打ち合いを制した瞬間、両国国技館はこの日の最大の歓声に包まれた。「よく耐えたぞ」「ありがとう~」「明日も勝ってくれ!」。花道を歩き始めても歓声はおさまらない。師匠鳴戸親方(元横綱隆の里)から「勝ってもはしゃぐな」としつけられてきた本人は表情を変えないが、観客はおおいに興奮していた。
立ち合いで右で張り、左差しを決めた。すぐさま右上手を取り、前へ出た。土俵際で上手を切られたが、深く入った左差しを生かし、最後は土俵際のすくい投げで仕留めた。豊富なけいこ量と調子の良さを象徴する5勝目。稀勢の里自身は「理想は寄り切りですが、こういう勝ち方も自信になります」と淡々と話したが、関係者のボルテージはグングンと上がってきた。
土俵下で観戦していた横綱審議委員会の内館牧子委員が声を弾ませた。「すごくいい相撲。次期大関が期待される彼が勝ってくれると毎日でも国技館に来たくなります。私の周りにいた若い女の子たちは取組前から『ドキドキして見られない』って興奮してたの。彼は勝つごとに、華のあるいい顔になっています」。
審判長を務めた貴乃花親方(元横綱)も「力がついてますね~。体が自然と動いているという感じです」と高く評価。記者から白鵬の感想を求められても、「稀勢の里がこれから面白い存在になりますよ」と続けた。北の湖理事長は期待を込めて、あえて課題を口にした。「張り差しの立ち合いは上体を高くするので、好ましくない。体を生かして頭からいけばいい。琴欧洲戦は面白い取組になりますよ」。
7日目に対戦する琴欧洲とは同じ02年初土俵で、04年夏にはともに新十両昇進を果たしたライバル同士。出世レースでは先を越されたが、気負いはない。「相手は全勝ですが、まあ、何とかしたいですね」。朝青龍と負けず劣らずの負けず嫌いは、自力で賜杯レースに食らいつく。【柳田通斉】
[2008年5月17日9時38分 紙面から]
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