時津風部屋新弟子死亡事件で、相撲部屋での指導法が問われる中、日本相撲協会の再発防止検討委員会は17日、陸奥部屋と間垣部屋で若手力士に対する暴行があったことを発表した。

 陸奥部屋では今年1月24日、十両豊桜(34)が序ノ口力士を調理器具のお玉で頭を10発程度殴打。力士は8針(約7センチの切り傷)を縫った。事実は4月22日になって発覚し、師匠の陸奥親方(元大関霧島)が今場所前の7日に経過を再発防止検討委員会に報告。同親方は、処分を協会に委ねることにした。

 間垣部屋では今月14日の朝、間垣親方(元横綱若乃花)が、序二段力士の両太ももを竹刀で殴打していた。原因は力士が親方の信頼を損ねる問題を起こしたからという。

 同委員会ではこの日、陸奥親方、豊桜、間垣親方の3人を厳重注意の上、正式処分を場所後、29日に開かれる理事会に委ねることを決めた。委員長の伊勢ノ海理事(元関脇藤ノ川)は「委員会があるからこそ、このような問題が報告された」と協会の自浄作用が働き始めたことを主張。一方で外部委員の漫画家やくみつる氏は「野球で言えば次はない警告試合の状況の中、相撲界はまた自分たちのやり方を通した。厳しい処分が必要になる」と訴えた。協会理事でもある間垣親方については、協会内部から「指導的な立場なのにあり得ないことをした。ちゃんと責任を取るべき」という指摘もある。29日の理事会は紛糾が予想される。