<大相撲夏場所>◇7日目◇17日◇東京・両国国技館

 小結稀勢の里(21=鳴戸)が、奇襲失敗で自滅した。全勝の大関琴欧洲(25=佐渡ケ嶽)との前半戦ヤマ場の一番は、稀勢の里の予想外の張り差しに、相手の立ち合いの変化が重なり、両者がぶつかり合わないまま1秒6であっけない幕切れ。06年初場所の栃東以来となる日本人力士の優勝を期待する満員の観客は肩すかしを食わされ、場内はため息に包まれた。横綱白鵬と大関琴欧洲の2人が全勝を守った。

 稀勢の里の立ち合いの右張り手は、まさかの空振り。琴欧洲に右に動かれ、踏みとどまることができず、相手の体に触れることもできぬまま土俵を割った。初日に横綱朝青龍を真っ向勝負で圧倒した姿を期待した大歓声も、力ないため息に変わった。「張り差しから右をとるつもりだった。変化はまさかでしたね。でも勝負だからね。自分が悪い」。注目の一番には、ふさわしくなかった。

 北の湖理事長(元横綱)は「身長の高い相手への張り差しは、大きなリスクがある。なぜ」と顔をしかめた。横綱審議委員の作家内館牧子氏は「(この日の終盤戦は)張りや変化ばかりで、すごくがっかりした」と不満を口にした。

 中日の今日は横綱白鵬と対戦する。「負けを引きずらないで、思い切って行くしかない」と稀勢の里。本来の激しく強い当たりで、期待に応えるしかない。