<大相撲夏場所>◇9日目◇19日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(27=高砂)が史上4位の45場所で幕内500勝を挙げた。立ち合い前に関脇安馬(24)ににらみつけられたが、熱くならず、落ち着いた取り口で寄り切り、2日目からの8連勝で勝ち越した。今場所は深夜の外出も減らして心身とも万全。9連勝の横綱白鵬(23)大関琴欧洲(25)とは直接対決を残しており、逆転優勝へさらに集中力を高めていく。
得意の速攻相撲は封印した。朝青龍は左上手を引くと頭をつけて時を待った。安馬に嫌われていた右下手をつかんだ瞬間、一気に前に出て寄り切った。「(投げを警戒して)無理しなかったよ」。162キロの若ノ鵬をうっちゃりで投げた前日の安馬の相撲を見て、安全策を選択した。
落ち着いた取り口が目立つ今場所の横綱を象徴する相撲だった。仕切り中にも変化が見られた。安馬ににらみつけられても、熱くならずに受け流した。稀勢の里ににらまれ、激怒したこともあったが、今は「最近の若いやつらはにらむのが多いね。まあ、いいじゃないか。どんとこいだよ」と笑い飛ばす余裕があった。
この白星で幕内通算500勝に到達した。史上4位のスピード記録。昨年の2場所出場停止処分がなければ2位の可能性もあったが「うれしいね」と素直に喜んだ。「1000勝は」と振られると「頑張るぞ!
筋トレ増やさなきゃ」と笑った。
「心の余裕」の裏には家族の存在がある。母プルブバダムさんと長女のイチンホルロちゃんが来日中。家族と過ごす時間を大事にしている。関係者からの宴席に誘われても、深夜0時前には帰宅する。「昨日は真っすぐに家に帰りました」と関係者は明かす。外出が減った分だけ体調もいい。
初日に黒星を喫したが、日増しに調子は上がっている。1差で追いかける白鵬と琴欧洲とは、直接対決を残しているため、焦りもない。「今場所の琴欧洲は引きつけがいいね。楽しみだな」。朝青龍は待ち遠しいと言わんばかりの顔で言った。【来田岳彦】

