<大相撲名古屋場所>◇8日目◇20日◇愛知県体育館
横綱白鵬(23=宮城野)が、ただ1人の全勝ターンを決めた。幕内最小兵の小結豊ノ島(25)を得意の右四つから寄り倒し、初日から無傷の8連勝。自身6度目となるストレート勝ち越しで、単独トップを守った。今場所から新トレーナーと契約し、持病の腰痛や左足首を入念にケア。体調万全で名古屋場所初Vへの視界も良好だ。1差で追う大関琴光喜(32)と関脇安馬(24)も1敗をキープした。
最後まで冷静だった。右を差し、左上手をつかんだ白鵬が、両腕を引いて前へ出た。豊ノ島に体を預け、もつれるように土俵下へ落ちた。昨年秋場所に初金星を献上した小兵を圧倒し、無傷で勝ち越し決定。「当たり前ってことにしましょう」。言葉は素っ気ないが、笑顔だった。
取組前は腰を、取組後は両足首を入念にマッサージする。「はだしで相撲が取れるのは3年ぶり。気持ちがいいね」。05年名古屋場所で痛めた左足首は、先場所まではテーピングされていた。横綱昇進後からは腰痛にも悩んだ。それが今場所は「体調はいい」と言い切る。
今月から日本オリンピック委員会強化スタッフの執行(しぎょう)稔トレーナー(40)と契約した。先場所10日目、安馬に敗れた際に左足首を再び痛めた。他の力士のケアで、たまたま支度部屋にいた同トレーナーに臨時治療してもらったのがきっかけ。5ミリ単位でずれることがある両足踵骨(しょうこつ)の状態をチェックし、事前にケアする。それが好調の原動力になっている。
盤石の取り口に北の湖理事長(元横綱)も「安定した相撲が取れている。全勝する可能性も高い」。打ち出し後は部屋でVTRを眺め、翌日の相手の研究にも抜かりがない。育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は「名古屋だけですからね。ぜひ優勝したい、と意気込んでいる」と明かす。今場所優勝すれば史上10人目の全6場所を制覇となる。朝青龍休場の場所で「1人横綱」の意地にかけて負けるわけにはいかない。【近間康隆】

