琴光喜鳥取のため2敗守る/名古屋場所
<大相撲名古屋場所>◇10日目◇22日◇愛知県体育館
大関琴光喜(32=佐渡ケ嶽)が関脇安馬との2敗対決を制し、優勝争いに踏みとどまった。前日の黒星で気持ちが切れかけたが、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)にチャンスが残っていることを諭されて奮起。地元愛知のファンの大声援と、第2の故郷・鳥取からの支援に応えるため、最後まであきらめずに戦い抜く。横綱白鵬(23)は関脇琴奨菊を破り、全勝をキープ。安馬と千代大海は敗れ、3敗に後退した。
安馬の強烈な右のど輪に琴光喜は上体をのけぞらせた。必死で左手を突き上げて、相手の腕を跳ね上げると、勢い余った相手が半回転。背後を取ると、そのまま送り出した。「とっさだった。あまり覚えていない」。優勝への執念で、体が自然に反応した。
前日の普天王戦の黒星で、気持ちが切れそうだった。「優勝争いを意識する中で、絶対に落とせない相手だった。2差は大きい」。験直しに飲みに出かける気力もなかった。だが、朝げいこで佐渡ケ嶽親方に「チャンスはまだあるんだ」と諭された。愛知県体育館の琴光喜コールも前日より大きく、勇気がわいた。
声援は鳥取城北高で3年間を過ごした鳥取からも届いた。昨年12月に地域の魅力をPRする「とっとりふるさと大使」に任命された。鳥取砂丘がデザインされた名刺も持っている。先代親方の横綱琴桜(故人)を生んだ地も、現在は力士が1人もいない。地元の相撲ファンの琴光喜への期待は大きい。十両昇進した99年に発足した「鳥取琴光喜関後援会」の浜崎晋一会長代行(53)は「琴光喜関にあこがれて相撲を始める子供が増えた」と言う。優勝すれば、声援への最高の恩返しになる。
厳しい2差にも、佐渡ケ嶽親方は「ウチにはまだ、欧洲もいますから」と前向きだ。琴欧洲が白鵬を倒し、琴光喜が残り全勝なら、優勝決定戦に持ち込める。部屋一丸で奇跡の逆転優勝を狙う。【来田岳彦】
[2008年7月23日8時17分 紙面から]
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