白鵬24日にも最速12日目V/名古屋場所
<大相撲名古屋場所>◇11日目◇23日◇愛知県体育館
横綱白鵬(23=宮城野)に最速優勝の可能性が出てきた。横綱昇進後2勝4敗と苦手にする関脇安馬(24)をきめ出して、ただ1人全勝をキープ。大関琴光喜(32)が敗れて2敗がいなくなり、後続に「3差」をつけた。12日目に白鵬が大関千代大海(32)に勝ち、4人の3敗力士が全員敗れれば、3場所ぶり7度目の優勝が決まる。現行の優勝制度で、12日目までの優勝決定は初めて。昇進から1年が過ぎ、成熟した横綱が偉業達成を狙う。
過ちを繰り返さなかった。白鵬は2度も突っかけてきた安馬の作戦に、はまらなかった。ライバル心をぶつけてくる相手は、仕切りから気持ちをあおってくる。先場所を含め敗れた4度は冷静さを失い、勝ち急いで失敗した。「そう深くは考えなかった。異能力士だから、落ち着いてね」。顔色変えずに鋭く踏み込むと安馬の両腕をきめながら、一気に前に出た。
盤石の内容に協会トップも連日の賛辞だ。北の湖理事長(元横綱)は「いつ決めるという状態になった。横綱になって1年が過ぎ、充実してくるころなんだ」と優勝決定日に注目する。12日目に白鵬が3敗の千代大海を下し、琴欧洲、琴光喜、豊響が敗れればV決定。かつて双葉山が12日目に決めたことがあるが、当時は同点なら番付上位者が優勝だった。決定戦制度ができた47年夏場所以降では、最速決定になる。
名古屋場所は多くの力士が「土俵が滑る」と嘆くが、「地に足つけて」戦っている。取組前は両足を入念にほぐす。執行トレーナーは「足の甲を支える中足骨(ちゅうそっこつ)と、指の基節骨(きせつこつ)の間を空けているんです」と説明する。指先までよく動くように万全を期し、白鵬も「土俵をよくかめる」と納得して白星を重ねる。
琴光喜が敗れた場面は土俵下で見届けた。2敗力士がいなくなっても「それは良かったですね。まだまだでしょう」と淡々。あまりのスピードに、部屋関係者はこの日、優勝時の「祝いのタイ」を慌てて発注した。昨年夏場所以来2度目の全勝Vへ視界も良好。「(全勝は)そう言われるとそうかなあ、という感じ」。朝青龍が途中休場した今、「1人横綱」が歴史に名を残す独走で強さを見せつける。【近間康隆】
[2008年7月24日9時59分 紙面から]
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