【ウランバートル27日=来田岳彦】横綱朝青龍(27=高砂)の優等生変身の陰に占い師の細木数子氏(70)の存在があった。モンゴル巡業は27日、ウランバートル市のモンゴル民族サーカス場で初日を迎えた。朝青龍は自ら会場の各所を回り、巡業が順調に行われいるかチェックするなど、まめまめしく動き回った。この殊勝な行動の裏には、日蒙の文化の違いの板挟みに悩んだ朝青龍が、細木氏に相談した際のアドバイスがあった。この日のトーナメントは横綱白鵬(23=宮城野)が制した。

 朝青龍が変わった。この日取組前、会場で取材陣を見つけると「問題ないか。大丈夫か」と声をかけた。機嫌次第で取材拒否していたのがウソのようだ。その後も会場内を歩き回り、子供のけいこの際は会場の反応を確かめるように、花道の陰から土俵を見つめた。土俵入りも長男ジャミアンドルジくん(2)を抱いて入退場。準々決勝で弟弟子の朝赤龍に負けても「足が滑った。また明日だ」と潔く敗北を認めた。

 巡業部の親方が「国内でもこれぐらいしてくれればいいのに」と、ぼやくほどの変化。6月のロス巡業では歓迎レセプションに10分遅刻した上にわずか4分で退席するという傍若無人の振る舞いをしていた。だが、26日夕の大統領主催晩さん会では要人が到着するたびに出迎えに行き、パーティーの間も各テーブルを回って話すサービスぶりだった。

 モンゴルに到着した25日、朝青龍は晩さん会の会場をめぐる日蒙の意見の相違の板挟みになった。大草原の借景も、もてなしのうちだというモンゴル側と、降雨時の対応など力士の健康面を憂慮する日本側で対立。悩み抜いた朝青龍は午前2時に、巡業に招待しウランバートル市内に滞在していた細木氏を訪ね「素直な自分を出しなさい」と諭されたという。関係者が“朝青龍巡業”とやゆするほど力をいれてきただけに、教えに従い、骨身を惜しまなかった。

 そんな変身ぶりに今回の巡業にも物心両面で協力してきた細木氏は「(次のモンゴル巡業も)要望があれば協力します」とご機嫌だ。突然の優等生ぶりは、モンゴルでだけなのか、日本に戻っても続くのか-。休場明けとなる秋場所の朝青龍の土俵が注目される。