朝青龍連敗なら引退決断も/秋場所
<大相撲秋場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(27=高砂)が、再び引退危機に追い込まれた。東前頭4枚目安美錦(29=伊勢ケ浜)の立ち合いの変化に体が反応せず、送り出しで2敗目を喫した。すでに師匠高砂親方(元大関朝潮)には進退について相談しており、20日の栃乃洋戦の結果次第で一気に引退を決断する可能性もある。横綱白鵬(23)は栃乃洋(34)を破って1敗をキープ。西前頭5枚目豪栄道(22)は琴奨菊(24)をはたき込み、6戦全勝を飾った。
あっけなかった。朝青龍は仕切りで大げさに右手を高く上げておろし、左手もついて立ち合う。「両手をつけ」と厳しい姿勢の武蔵川理事長への挑発とも取れるアクションで真っすぐ突っ込むと、安美錦に左に変化された。瞬く間に土俵際に追い込まれ、抵抗もできないまま背中を押されての送り出し。舌を出し、首を横に振り、苦笑いした。
「ダメだったね。ハハハっ」と人ごとのように笑う。「いい立ち合いをしようと思ったけど、相手にうまく食われた感じだな。踏み込みが良かった? うーん、やっぱり反応が悪いね」。沈黙をはさみながらも無表情で取組を振り返る。悔しいそぶりは見せなかった。
気力はもうなえている。実は、3日目雅山戦に敗れ、高砂親方に進退の相談をしていた。「調子が悪いです。この先、どうすればいいでしょう」。師匠は「進退は自分で決断して、オレに報告しろ」と返していた。その後朝青龍は、知人、友人に相談。「もう決心した。引退する」といったん決意したが、周囲の熱心な説得により翻意。それでも4日目稀勢の里戦では「負けたら、終わり」と気持ちを固めていたという。
1度切れかけた気持ちを立て直すのは難しい。周囲には「いつでもやめる覚悟はある。もう十分やった」と漏らしており、近い関係者も「これ以上負けるようだと、2場所連続の休場ではなく、一気に引退するのではないか」と話す。この日の打ち出し後は、高砂親方に「明日、また頑張ります」と宣言し、師匠も報道陣に「まだ2敗は優勝圏内だ。休場することもない」と言い切った。だが、3敗となれば優勝は難しい。20日の相手の栃乃洋には先場所も敗れている。「最強」にこだわってきた朝青龍が、いよいよ瀬戸際に追い込まれた。【柳田通斉】
[2008年9月20日9時48分 紙面から]
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