白鵬10・5力士会招集、朝青龍は事後承諾
横綱白鵬(23=宮城野)が、鬼のいぬ間に「臨時力士会」を招集した。「立ち合い正常化」と「綱紀粛正」を目的に、10月5日に両国国技館内で行う。本来は力士会会長の横綱朝青龍(28)の役目だが、新リーダーの自覚を持つ副会長の白鵬が、自発的に代役を買って出た。賜杯レースでも安定感を発揮。大関魁皇(36)を寄り切って単独トップの1敗をキープした。
賜杯レースで緊張の日々の中、白鵬が「角界の今」を考え、立ち上がった。この日、今場所出場中の十両、幕内力士計63人に向けて1枚の紙が配られた。「10月5日(日)時津海引退相撲当日 十両取組終了後(断髪中)臨時力士会を開きます。会員は教習所に集合してください」。差出人は、力士会会長となっているが、招集したのは会長の朝青龍ではなく、副会長の白鵬だ。「臨時力士会」の開催は00年2月以来約8年8カ月ぶり。朝青龍を含む休場中の力士にも、関係者を通じて届けられた。
動き始めたのは前日12日目の横綱土俵入り後だ。「立ち合いのことと、私生活の乱れについて話し合った方がいい。場所後に力士会を開こう」。関係者が当日中に大関陣、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)ら協会執行部に伝え、了承を得ていたという。
力士会の「政権交代」を印象づける。本来は朝青龍の役目だが、一時は引退を考え、10日目から休場した先輩横綱にそんな余裕はない。白鵬はその状況を察知。自ら異例の「臨時力士会招集」を決め、朝青龍は「事後承諾」の形になった。場所直前に武蔵川理事長の意向で始まった「両手をつく」立ち合いは、勝負規定に記してあるとはいえ、北の湖理事長時代はあいまいだった事情もあり、混乱する力士は少なくない。私生活面では、場所前に3人の関取が解雇される「大麻問題」が発生した。両問題とも、自主的に力士だけで対策を話し合うつもりだ。
土俵内でも貫禄(かんろく)を見せつけた。激しい差し手争いの末、左を差し、右前まわしつかみ、腰を割って寄り切った。「無理せずに十分になってから攻めようと思った」。今日14日目に、琴光喜、安馬がそろって敗れ、白鵬が琴欧洲を退ければ、2場所連続8回目の優勝が決まる。「明日決まれば気持ち的に楽だけど、それはそれ。今日は今日でね」。気負いも焦りもない。「臨時力士会」については「それはノーコメントで」とニヤリ。日に日に綱の風格を増す23歳に、死角は見当たらない。【柳田通斉】
[2008年9月27日9時20分 紙面から]
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