自らの初優勝に「疑惑」をかけられた貴乃花親方(36=元横綱)は、怒りをあらわにした。「そういうことは一切ない。完全に否定します。なぜ法廷で私の名前が出るのか理解に苦しみます」。武田氏は「貴乃花親方本人は知らないこと」と指摘したが、それでも「あり得ないこと。私と武田氏とは別件の裁判で係争中であり、私への揺さぶりのつもりでしょうか」と受け付けなかった。

 母藤田憲子さんが記事の情報源になったことについても「信じていない」と話した。現在は母と絶縁状態だが、母が父の八百長疑惑を告発したという疑いは持っていない。5月30日の本件訴訟弁論手続きで被告側が藤田さんを証人申請した際は、「もし、出廷するようなら私は責任を取って審判部副部長はもちろん、役員待遇も辞するつもりです」と発言。藤田さんが出廷しなかったことで「正直、ホッとしました」と胸をなで下ろした。

 武田氏への憤りは収まらない。「2週間後には法廷でのやりとりが文章になって出てくるので、それから名誉棄損などで法的措置を考えます」。父についての記事をめぐる名誉棄損訴訟は、離れた母と子を巻き込んだ新たな法廷闘争に発展しそうだ。