<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター

 横綱白鵬(23=宮城野)が早くもトップに立った。東前頭4枚目稀勢の里(22)との1敗対決は、立ち合いから圧倒。右の外掛けで勝ち、2日目から7連勝とした。全勝だった東前頭7枚目雅山(31)が敗れたため、1敗で賜杯レース首位を並走。自身2度目の3連覇へ向け、視界は良好だ。大関とりの関脇安馬(24)は東前頭筆頭豊ノ島(25)を下して6勝目を挙げた。

 歓声を一瞬でため息に変えた。庄之助の軍配が返った直後、白鵬は鋭い踏み込みで、稀勢の里の両脇に2本差し込んだ。「踏み込みが良かったし、思い通り」。出足の良さで大関を連破してきたホープを圧倒。もろ差しでの右外掛けで、171キロをあおむけにした。懸賞22本は今場所最多。「まさか」への期待をよそに、綱の強さを見せつけた。

 自滅を防いだ。先場所5日目、ひいたところを稀勢の里につけ込まれ金星を献上した。この日朝、部屋付きの熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)に「これしちゃ負けるよ、前に出ろ」と、はたくしぐさで注意された。最後の仕切りでまわしを3度たたくが、「緊張した」という初日は5度たたき、敗れた。冷静さを失った反省に立ち、この日はしっかり3度。前半戦ヤマ場の1敗対決にも落ち着いていた。

 秋場所後に左足裏うおのめ除去手術をし、けいこ量は不足した。黒星発進し、7日目までに2度も物言い。部屋関係者も「突然よくしゃべる日があるし、不安をかき消そうとしている」と危惧(きぐ)していたが、快勝ターンで自信も回復。雅山が敗れて8日目で首位に並んだことに「当然でしょ」。「1人横綱」の過去4場所はすべて優勝。朝青龍不在の今回も、本命が定位置にやってきた。【近間康隆】