<大相撲初場所>◇2日目◇12日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(28=高砂)が、小結琴奨菊(24)を突き落として2連勝を飾った。3場所連続休場後の進退をかけた場所だが、過去の連勝スタートの場所は優勝確率81・8%。現役続行の合格ラインとされる「2ケタ以上」は90・9%。相撲内容は初日同様に先手を取られながらの逆転だが、早くも進退問題をクリアしそうな勢いだ。
立ち合いの鋭さはなかった。左を差すも相四つの琴奨菊に、先に右上手を引かれた。だが、ここからまたも朝青龍が相撲センスを発揮した。左ですくった後、前傾姿勢になって腰を伸ばした。琴奨菊の右上手が切れたのを確認し、もろ差しを狙って前へ。そして、圧力に耐えられなくなった相手を見透かすように、突き落としで勝負を決めた。
朝青龍
立ち合いから、まあ、流れでね。
初日の稀勢の里戦ほど攻め込まれたわけではないが、表情はさえない。進退のかかる場所での「連勝スタート」を飾った胸のうちをさぐろうと取材陣が、質問をたたみかけても「まだ、2日目だし」とポツリ。「まだ、満足できる内容ではないか?」の問いには「ああ、普通、普通」と返すだけだった。
だが、朝青龍が積み上げた歴史を振り返ると、連勝スタートの場所は、好成績の確率が高い。横綱昇進から36場所目だが、これまで22場所で初日から2連勝。うち18場所で優勝し、10勝以上は20場所。進退をかけたこの場所では横綱審議委員会の委員からは「10勝以上すれば合格」の声が上がっているが、データだけを見ればもはや進退問題クリアの状況だ。
一方で昨年の秋場所では2連勝後、3日目に雅山のいなしで敗れて力の衰えを実感。同日夜に師匠の高砂親方(元大関朝潮)に初めて進退問題を相談し、6日目の2敗目から崩れて10日目から休場した経緯もある。周囲によれば、左ひじ痛の状態は当時よりもいいというが、本人の不安は消えていない。
前夜、朝青龍は両国国技館で応援してくれた元サッカー日本代表MF中田英寿氏らと都内で会食した。関係者によると、エールを送る中田氏には「とにかく1日1日、頑張っていきますよ」と笑顔で言葉をかみしめていたという。勝っても浮かれていられない元最強横綱の第一の目標は、序盤5日間を順調に乗り切ること。その先に真の復活が見えてくる。【柳田通斉】

