<大相撲初場所>◇4日目◇14日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(28=高砂)が、土俵際の逆転で初日から4連勝とした。東前頭2枚目雅山(31)の当たりをまともに受けて押し込まれたが、右足1本で残りながら引き落とし、現役続行の目安とされた「5日目までで4勝以上」をクリアした。2年ぶりに出演したCMの放送がちょうど始まるなどメディアでの朝青龍の露出は急増。専門家はこの勢いが続くと約100億円の経済効果になる、と分析した。
朝青龍の反射神経は健在だった。頭からきた雅山の重い当たりをまともに受けた。一気に土俵際に追い込まれたが、瞬時に左へ回り込んだ。雅山の右手をたぐりながら、両足を俵の上にかけてのけ反った。あと一撃を受ければ負けという状況だったが、雅山が落ちた時は俵の内側に右足1本で立っていた。
朝青龍
雅山は悲しそうで、悔しそうだったね。目があったんだ。ヒヤッとしたけど『オレは残ったよ』って感じで苦笑いしたよ。
薄氷の勝利で「内容は悪い」と反省したが、今場所初めて雄弁だった。「あれで残れたのは反応がいいということ。あれがないとあと何ミリかで出ていたからね」。昨年秋場所では雅山と3日目に対戦し、土をつけられていた。その負け方にショックを受け、初めて進退問題を師匠の高砂親方(元大関朝潮)に相談した過去もあったが、この日は「どんな風に負けたんだっけ」ととぼけてみせた。
4連勝でひとまず引退危機を回避し、この日から、自身2年ぶりのCM出演となった炭酸飲料「ファンタ」のCMも放送開始された。新聞やテレビで連日、白星を重ねる朝青龍を大々的に取り上げるなど「朝青龍ブーム」といった様相に、CM総合研究所(東京・港区)の関根建男代表は、このまま勝ち続けて優勝するようなら約100億円の経済効果があると分析。「他のスポーツがあまり行われていない時期に、引退の危機にあった朝青龍が踏ん張り、相撲の視聴率も上がっている。国民に根付いた国技相撲が盛り上がれば国全体が元気になり、実体経済に及ぼす効果は100億は下らない」と話した。
過去のデータでは朝青龍は横綱昇進後、初日から4連勝は18場所で、うち17場所で優勝とV率は94・44%。全盛期の強さは見えず、今後への不安も感じさせるが、関根代表は「仮に朝青龍が引退なら相撲界の打撃は大きく、日本経済にも悪影響が出る」。不況の今こそ、朝青龍への期待は大きいようだ。【柳田通斉】

