<大相撲初場所>◇8日目◇18日◇東京・両国国技館

 再発防止検討委員会の漫画家やくみつる氏は、朝青龍復活ムードの中で品格問題を「棚上げ」気味の角界に苦言を呈した。

 やく氏が「朝青龍フィーバー」の危険性を指摘した。「8連勝は立派ですが、協会やファンが、朝青龍の態度に寛容になっていることは非常におかしい」。7日目に朝青龍は、嘉風の張り手に腹を立て、ダメ押しの上に勝負がついたあともにらみ続けた。それでも、武蔵川理事長は「分からない」と言い、テレビ視聴者からの協会への抗議電話も数件と少なかった。

 進退問題のかかった今場所での朝青龍の奮闘ぶりが、「相撲にもヒールが必要」というファンの声を高めている。協会内からも「お客さんが集まるのも朝青龍のおかげ」との声が出ている。しかし、やく氏は「理事長は就任時に『土俵での態度が悪ければ厳しく指導する』と言ったはず。正しい力士像、横綱像があるはずで、今こそしっかり指導するべきです。このままでは、朝青龍は仮病サッカー問題以前の態度に戻ってしまいます」と強く訴えた。

 「品格、力量抜群」なのが横綱。やく氏は「最後の1人になっても、(朝青龍に)抵抗していきます」と話した。