はにかむ顔に「やんちゃ」の面影はなかった。新入幕のころ、若麒麟は「中学の時は、どこの部活も受け入れてくれなかった」と「帰宅部」だった理由を打ち明けてくれた。悪さをして、両親に迷惑をかけたといい、実家の料理店の話になると「ぜひお店に行ってください。よろしくお願いします」と頭を下げていた。
土俵で見せる激しい突っ張りとは一転、支度部屋では静か。ほかの力士と絡む姿もあまり見なかったが、顔を合わせるうちに関西出身らしく「ボケ」や「オチ」をつけてくれた。彼の地元、兵庫・川西には「金太郎誕生の地」という伝説がある。1年前、激励会で「角界の金太郎」と期待をかけられて「ありがたいですね」とはにかんでいた。地元の期待を心底喜び、礼儀正しかった青年だった。それだけに、残念でならない。【相撲担当・近間康隆】


