大麻取締法違反(所持)の罪に問われた大相撲元若麒麟の鈴川真一被告(25)の判決が22日、横浜地裁川崎支部(阿部浩巳裁判長)であり、懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)の有罪判決が言い渡された。

 鈴川被告は、尾車部屋所属だった1月30日に、都内の音楽CD販売会社事務所で大麻を所持していたところを逮捕された。この日は、今月13日の初公判と同じく黒のシャツに黒のカーゴパンツ、スニーカーというラフな服装で入廷。阿部裁判長から「所持していた大麻5・69グラムは少量とはいえず、一定の非難は免れない」と厳しく断罪された。

 さらに同裁判長は、同被告が初公判時に「大麻吸引は2回だけ」などと述べた点について「供述が不自然で、大麻とのかかわりについて明らかにしていない疑いが残る」と、常習性に疑念が残ると指摘した。同判決は、量刑の宣告前に量刑理由を説明。これは通常は極刑を宣告する際の形で、大麻取締法違反の初犯では異例の形。司法が本件を重く見たといえる。

 一方で同裁判長は、同被告の相撲人生が絶たれ、一定の社会的制裁を受けた点、相撲協会の養老金(退職金)529万円の受け取りを辞退した点や初犯であることなど「くむべき事情もある」と説明した。

 判決後、鈴川被告は「今後はご迷惑をかけた人たちに恩返しができるような生き方をしたい」と頭を下げた。検察側も被告側も控訴しない方針で、一応の決着を見る形となった。