夏場所で優勝した大関日馬富士(25=伊勢ケ浜)の「綱とり問題」が、「ゴルフ騒動」にかき消された。25日、東京・両国国技館で横綱審議委員会(横審)が行われたが、話題は場所2日前にゴルフコンペで集まった朝青龍、白鵬、日馬富士ら9人のモンゴル出身力士への批判だった。

 参加した12人の委員は、総意として同コンペに参加した9人について「場所前に軽率。けしからんこと」と協会側に不満を訴えた。内館牧子委員は「プロレスだって正規軍とヒール軍は別々のバスで移動するのに、これから戦う力士が場所直前にゴルフなんてとんでもないこと」と指摘した。

 一方で日馬富士の昇進問題については、各委員とも「ほとんど話題にならなかった」と話した。横綱推薦の内規には「2場所連続優勝かそれに準じた成績」とあるが、内館委員は「2場所連続優勝ですぐ昇格なら横審はいらない。14勝1敗の優勝は素晴らしいが、その前が8勝、10勝なので、次は内容を見ないと判断できない」。鶴田卓彦委員長も「(11日目の)稀勢の里戦のように立ち合いで変化していては評価できない。真っ向勝負が有力な視点で、今場所以上の成績も求められる」と厳しい見解を示した。