佐渡ケ嶽部屋のオランダ公演(6月5、6日)が中止から一転、予定通り実施されることになった。佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が28日、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)に「(公演を)キャンセルすると各方面に迷惑を掛ける」と申し出。同理事長も「師匠が責任を持ってキチッとやるならば」と開催を認めた。

 ドタバタの末の中止回避だった。新型インフルエンザ問題、また同国が大麻の所持や使用に寛容なことで、武蔵川理事長が今月22日に「今の時期、行かない方がいい」と助言。佐渡ケ嶽親方も、27日までに中止の決定を下していた。

 だが、オランダ政府側が中止を助言した日本相撲協会に猛反発。約7400枚のチケットがはけていたほか、同公演にはオランダ王室も来場予定だったこともあり、事態は国際問題にまで発展しかかった。日本相撲協会を管轄する文部科学省関係者によると「協会には『外務省と話し合ってほしい』という旨を伝えた」という。国からのお達しに、同協会も態度を変えざるを得なかったようだ。

 佐渡ケ嶽親方は「オランダ側と各省庁から強い要望があった」と認めた。インフルエンザの予防策については「マスクや薬を持って行くし医師も帯同する」。現地での自由行動を制限するのかという問いには「そうですね」と答えた。一行は来月2日に出発し、同8日に帰国予定。最後は「頑張ってきますので」と笑顔の同親方だが、協会の対応の悪さが目立つドタバタ劇だった。