昨年9月の尿検査で大麻に陽性反応を示し、日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元露鵬(29)と元白露山(27)兄弟が、力士として地位確認を求めた訴訟の本人尋問が29日、東京地裁で行われた。

 まず証言に立った元露鵬は、精密検査で2つ検体を取るはずが1つしかボトルがなく、自分でコップからボトルに移していないなど、検査の不備を訴えた。「ロシアでWADA(世界反ドーピング機関)の専門家に聞いたら、そんな検査は聞いた事がない、(結果は)でっち上げだろうといわれた」と証言した。

 元白露山は「精密検査の時に、親方衆から裸になれとこづかれて、パンツも脱がされた」「尿を出したら何も(処分は)ないからと言われた」と話した。2人は昨年6月のロサンゼルス巡業で大麻を使用したとされたことに対して「やっていないといったのに、なぜ(協会側は)ウソをつくのか」と否定した。

 約2時間半の尋問を終えた元露鵬は「言いたいことは言えた」といい、検査をした協会アンチ・ドーピング委員会の大西祥平慶大教授に対して「体調不良でやめるということだが、逃げないで(裁判に)でてきて欲しい。親方も本当の話をして欲しい」などと話した。