横綱朝青龍(28=高砂)が、ようやく必死になった。7日は東京・両国の出羽海部屋へ出向いて2日ぶりのけいこ。幕内栃ノ心(21)栃煌山(22)普天王(29)と番付発表後最多となる18番の申し合いを行い、15勝した。特に2日に3勝3敗、5日は6勝2敗と苦しんだ栃ノ心とは、11番取って9勝。191センチの若手に頭をつけ、まげを途中でくくり直すほどぐちゃぐちゃにし、懸命に攻めた。

 持ち前のスピードは戻りつつある。朝青龍も「一生懸命やってる。少しずつ、徐々に上げて」と上向き手応えを感じていた。だが、まだ体は軽く、3番取っただけで呼吸は乱れた。NHK解説者の北の富士勝昭さん(元横綱)も「総見の時よりは良くなったけど、あと1週間で持っていけるか。厳しいかもな」と話した。

 報道陣には「マスクしろ」と命じた。体調管理には気を使う一方で、夏巡業途中で外した左ひじのテーピングが再び巻かれていた。曇り空のもと「天気晴れたから良かった」とつぶやいた朝青龍。4場所ぶりの優勝を狙う秋場所(13日初日、両国国技館)では、秋晴れといくのだろうか。【近間康隆】