横綱朝青龍(29=高砂)が4日に表明した突然の引退は、日本中でどう受け止められたのか。日刊スポーツでは札幌、東京、大阪、福岡で計135人に緊急街頭アンケートを行った。135人中69人(約51%)が「辞めて当然」と回答した。「自業自得」と厳しい声もあった。

 全国各地での街の声も朝青龍には厳しかった。「横綱は自分から辞めるのが当然。これまでもそうだった。本場所中の夜中に我を忘れるまで飲むなんてとんでもない」(東京・77歳男性)。「大阪のおばちゃんを代表して言いたい。もうたっぷり稼いだはずだから、ここらが潮時やな。とにかく態度が悪かった。やっぱり日本人の強い横綱がほしいな」(大阪・主婦広瀬照子さん)といった厳しい意見が相次いだ。

 「お酒のせいにするのが良くない。今後の土俵にいなくても問題はない。ほかの力士が盛り上げてくれるはず」(札幌・50代パート女性)。さらに「ずうずうしい感じもするので。早く辞めてもらってよかった」(東京・40代会社員女性)など、すでに過去の人物として評する人も多かった。

 今回のアンケートは4日夕、札幌、東京、大阪、福岡の4都市の街頭で、朝青龍の「引退表明」について (1) 当然だ (2) 協会がクビにすべき (3) もう1度やり直し てほしい (4) その他―の4項目&自由意見を募る形式で行った。 (1) 以外は20人~24人の結果だったが、「辞めて当然」という声が圧倒的だった。「協会がクビにすべきだ」という意見を合わせると約7割に達した。

 騒動への対処が後手後手に回った日本相撲協会に対する“ダメだし”も多かった。「あまりに問題を起こしすぎ。協会が毅然(きぜん)とした態度を取るべきだった」(福岡・40代会社員男性)。「協会のリーダーシップが感じられない。朝青龍になめられていた」(東京・50代会社経営男性)。

 少数派ながら、擁護する意見も寄せられた。「強かったのでファンでした。朝青龍がいなければ相撲の人気も落ちてしまうのではないか」(福岡・40代主婦)。

 大相撲の世界にはあり得なかった、プロレスばりのヒール(悪役)として愛された一面も。「いくら悪役でも一般の人に暴力を振るったらシャレにならない。引退は仕方がない」(大阪・会社員清水昌治さん=44)「たとえヒールでもあと1年はやってほしかった」(東京・74歳無職男性)。「ヒール役として土俵を盛り上げてくれたが…。まけて座布団が舞うのが楽しみだった」(札幌・30代会社員男性)。

 良くも悪くも存在感が圧倒的に強かった朝青龍だけに、引き際は社会的にもしばらく波紋を呼びそうだ。