日本相撲協会の新理事となった貴乃花親方(37=元横綱)が5日、所長となった相撲教習所(両国国技館)で「第2の朝青龍」出現阻止に強い姿勢を見せた。前日4日に元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(29)が強制引退させられたことを受け、「ダ-ティ-なイメ-ジの相撲界じゃなく、ハッピ-な相撲界を」と提言した。何かと因縁めいた「お騒がせ横綱」の引退を機に、力士たちに真の相撲道を伝えていく意気込みを示した。
初心に戻り「すがすがしい」表情だった。貴乃花理事は、元朝青龍のドタバタ引退の余韻が残る国技館に、早朝から出勤した。「ダ-ティ-なイメ-ジの相撲界じゃなく、ハッピ-な相撲界を伝えていきたいと思います」。これまで多くを語らなかった元朝青龍の、引退に至るまでの騒動を「ダ-ティ-」とし、あらためて角界のクリ-ン化を宣言した。
現役を引退した03年初場所に、元朝青龍が横綱昇進を決めた。引退するまで心身ともに鍛えた貴乃花に対し、大相撲の看板を引き継いだ元朝青龍は、強さに甘えて問題行動ばかり起こした。「相撲道」は正反対。表立っての批判は控えてきたが、内心はじくじたる思いがあった。元朝青龍の処分を討議した前日4日の理事会では「毅然(きぜん)とした対応が必要だと思います」と発言していた。
貴乃花親方
ただ強くなればいいわけではない。強靱(きょうじん)な精神と心、肉体を育てていきたい。地位を築けば、その地位になる前よりも自分の鍛錬や礼儀作法が必要になる。
新理事就任とほぼ同時に、今度は元朝青龍が角界を去ったのも何かの因縁だった。
監察委員長兼教習所長としてはこの日が初仕事。「学校でも何でも、最初の教育機関が重要な場所。このような立場を与えていただいて感謝しています。やる気満々です」と笑顔をみせた。教習所は、新弟子に相撲の実技と教養を身につけさせ、「心身ともに強い力士」を育てる学校だ。現役力士や親方、外部の有識者が講師を務め、時には所長も講義する。「何度か、そういう機会を与えていただけると聞きました。礼儀とか、シンプルなことを伝えたい」と気を引き締めた。
「強ければいい」の力士を育てれば、いつまでたっても相撲界は「ダ-ティ-」なままだ。「両足ついて、背筋を伸ばして先生の話を聞く。その時は分からなくても、姿勢を正していれば、いつか分かる」。角界改革を掲げて理事に当選した貴乃花親方。まずは「ノ-モア朝青龍」の教育から、改革をスタ-トさせる。【近間康隆】

