「大関」把瑠都(25=尾上)が心・技に磨きをかけて横綱を目指す。14勝で大関昇進を決めた春場所から一夜明けた29日、大阪・大東市の宿舎で会見した。尾上親方(元小結浜ノ嶋)は伝達式での口上はシンプルになると明かした。定形は「大関の名を汚さぬよう、けいこに精進します」などがある。親方は「本人が意味がわからないと。周りから言われないよう、師弟で気を引き締めていく」。把瑠都は2年前に軽装で繁華街に出て厳重注意されており、今後注目度が増す。大関の心を磨かすつもりだ。

 場所前には左手親指を痛めた。そこで「けいこでもやっていなかった」突っ張りを繰り出し、新たな武器となった。親方は「けがの功名。突っ張りからの四つの形をつくっていけば。もうひとつ上があり、ここは通過点」。幕内随一と言える体に、心と技に磨きがかかれば、横綱も見えてくる。

 把瑠都は「最高の成績で最高に疲れた」と話し、28日夜は祝杯もそこそこで寝床に入った。31日には大関昇進伝達式となる。会場は宿舎近くの後援者宅を借り、金びょうぶも用意され、お祝いのタイも2匹届いた。「何度かテレビで見た」という伝達の使者を待つばかりだ。