日本相撲協会は28日、愛知県体育館で秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、新十両4人を含む十両昇進力士7人を発表した。7人の十両昇進は、年6場所制が定着した58年以降2番目の多さ。野球賭博関与の十両4人が名古屋場所を謹慎休場したため、異例の大人数入れ替えとなった。再十両の琉鵬(33=陸奥)は、現行制度では初となる幕下10枚目以下からの全勝以外での昇進にビックリ。野球賭博に関与しながら出場した城ノ龍(26=境川)は、涙の新十両となった。
琉鵬のつぶらな瞳が、丸くなっていた。名古屋場所は西幕下11枚目で6勝1敗。これまで幕下10枚目以下で、全勝以外の力士が昇進したことはなかった。「11枚目の6番で上がるって、あり得ない。奇跡です。何でこんなラッキーが舞い降りてきたのか…。だいたいオレ、そういうのを遠くから見ている人なのに」。07年秋場所以来の十両復帰は、現行制度初の「珍事」でもあった。
名古屋場所は、野球賭博関与の十両4力士が謹慎休場した。全休扱いにより幕下陥落は確実で、解雇された大関琴光喜の1枠も空いた。十両下位で2人大負けしており、異例の7人昇進。琉鵬は、いずれも4勝だった西6枚目芳東と東7枚目深尾を抑え、7個目のいすに滑り込んだ形だ。
境川部屋では涙の昇進だった。野球賭博に関与しながら軽微として出場を認められた城ノ龍が、8年目で新十両を決めた。しかしながら笑顔はない。冒頭では境川親方(元小結両国)が「謝罪文」を読み上げ、一緒に頭を下げた。
「名古屋場所出場の機会を与えていただき、ありがとうございます。本来なら十両昇進を喜ぶべきですが、本人が関与していたこともあり、複雑な気持ちでいっぱいです。ご迷惑をお掛けした関係者ならびにファンの皆様には、重ねて心からおわび申し上げます」。
同部屋は幕内豪栄道と豊響が野球賭博に関与し、同親方とともに謹慎した。城ノ龍は師匠に「賭博に使うお金があったら(故郷の)モンゴルへ送れ!」と一喝されたという。皮肉にも野球賭博の後押しもあったが、左ひざ靱帯(じんたい)断裂や左目網膜剥離(はくり)を乗り越えてつかんだ関取の座。「親方とおかみさんのおかげで…」と声を震わせる城ノ龍の横で、師匠は号泣していた。
幕内も6人が謹慎休場したこともあり、十両からは歴代最多9人(49年夏場所)が入幕する可能性もある。「生き物」といわれる大相撲の番付。秋場所の番付発表は8月30日だ。【近間康隆】


