1月まで横綱審議委員だった内館牧子氏(62=脚本家)が、日本相撲協会の取り組みに物言いを付けた。14日、都内のホテルで行われた毎日スポーツ人賞の選考委員として表彰式に出席。好角家として、2つの具体的事例について改善を指摘した。

 (1)入場制限

 両国国技館では、2階席のチケットでも観客が少ない時間帯は1階席で観戦できた。しかし、9月の秋場所から禁止になった。

 内館氏

 つまんない警備をいっぱいやってるでしょ。ああいうのは相撲の雰囲気を壊す。何でもクリーンにすることが、果たしていいのか。気づくと相撲ファンは減っている。

 (2)座布団投げ

 白鵬の連勝が止まっても、座布団は飛ばなかった。九州場所は4つの座布団を連結し、投げられない仕組みになっている。

 内館氏

 座布団が飛ぶっていうのは、文化の1つ。危ないっていうなら、ウレタンにすればいい。何を切って、何を残すのか、協会もしっかり考えないといけない。

 初場所も観戦に訪れる予定で、横審に指摘する考えもあるという。「このままじゃ、相撲ファンがいなくなる」と危機感を抱いていた。【佐々木一郎】