大相撲の八百長問題で、疑惑をかけられている力士が、悪あがきを続けている。特別調査委員会は18日、調査の途中経過を発表した。警視庁からのメールで名前が挙がるなど、疑惑がかかる14人中、携帯電話を正常な状態で提出したのは7人だけ。3人が壊れた携帯電話を提出し、1人は紛失、残る3人はいまだに提出していないことが明らかになった。

 調査委が、4日に携帯電話の任意提出を求めてから、2週間が経過した。放駒理事長(元大関魁傑)が、師匠を通じて協力を呼びかけても、効果は上がらない。14人中3人の携帯電話が壊れ、1人が紛失したというのは、不自然と思われてもやむを得ない。調査委は未提出の3人について「理由については、現時点で開示する予定はありません。引き続き、提出を求めていきます」とした。

 14人のうち、八百長関与を認めたのは千代白鵬(27=九重)、竹縄親方(35=元前頭春日錦)、恵那司(31=入間川)の3人。調査委はメールの内容から、清瀬海(26=北の湖)も関与を認めざるを得ないとしている。その他10人は関与を認めず、携帯電話の解析がカギを握る。しかし、提出がままならなければ、調査は先に進まない。

 また、警視庁にさらなる情報提供を問い合わせたが、「八百長を疑わせるに足りるメールは、すでにすべて提供している」と回答された。16日からメール、ファクス、手紙の「ホットライン」による情報収集を始めたが、新情報が得られたかどうかは未公表。アンケートで八百長を見聞きしたと答えた6人からの聴取も終えたが、すべてマスコミ報道などで知った程度の話で、新事実は出なかった。

 一部力士の非協力的な姿勢は、調査の進展を阻害し、業者による解析はさらに遅れる。全容解明に時間がかかり、本場所開催はさらに遠のく。調査はカベにぶち当たった。