<大相撲技量審査場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

 7勝7敗で千秋楽を迎えた力士たちは、緊張感とも戦った。34歳の若の里は、負け越しが決まった。「7-7は嫌です。勘弁してほしい。眠れたけど、土俵に上がってから、いつもと違う感じ。柄にもなく、緊張してしまいました」。97年九州場所での十両昇進以来、この状況は8回目(1休を除く)。ベテランでさえ、しびれた。

 この日、7勝7敗で迎えた力士は十両4人、幕内10人。結果は、それぞれ3勝1敗と4勝6敗で、合計7勝7敗になった。相手が、既に勝ち越している場合は、3勝1敗だった。八百長問題が発覚した後、この星で千秋楽を戦う力士の勝率は高い、というデータが示されたが、今場所に限っては五分になった。

 一般的に勝ち越せば番付が上がり、負け越せば下がる、運命の一番。勝った十両大道は「胸騒ぎがして、吐き気までした。初めてでした。本当にうれしくてしょうがない」と話し、負けた幕内隠岐の海は「しびれます。『クーッ』となる。何で(負けた)初日に頑張らなかったんだろうって」と追い込まれた心境を口にした。

 勝って喜び、負けて悔やむのは、真剣勝負の常。貴乃花審判部長(元横綱)は「緊迫感があり、緊張感が出ていた」とし、中村審判部副部長(元関脇富士桜)は「変化も少なかった」と評価した。問題の取組があったとの報告は、15日間でゼロ。放駒理事長(元大関魁傑)は「いい相撲が多くあった。チェックがあるような相撲があっちゃいかん。ないのが当たり前」と締めくくった。