<大相撲名古屋場所>◇13日目◇22日◇愛知県体育館

 大関日馬富士(27=伊勢ケ浜)が無敗を守り、09年夏場所以来2度目の優勝に王手をかけた。把瑠都を下し、自己新の初日から13連勝。初優勝した09年夏場所の12連勝を上回った。今日14日目は1差の白鵬戦。勝てば横綱の8連覇を阻むことになる。支度部屋ではカメラのフラッシュを無数に浴びた。「熱くてやけどしそうだな」。上機嫌に珍しくジョークも出た。

 軽量大関らしい俊敏な取り口だった。「大きな相手だから、自分が速く動いてと思った」。把瑠都のもろ手突きを左に動いてかわすと、右四つから左上手も引いて攻め続けた。相手の苦しまぎれのうっちゃりに両足が一瞬浮いたが、着地して右に切り返した。

 好調の要因の1つが青汁だ。稽古場と支度部屋で体を動かす直前にゴクリと一杯。「半年くらい前からかな。生野菜をあまり食べないから。おかげで体の調子がいい」。左膝、右足首に古傷を抱えるが「けがに耐えて鍛えてきた。その積み重ねだ」と今場所の進撃を当然と言わんばかりだ。

 この日は部屋関係者が地元警察署と優勝パレードの打ち合わせ。期待が高まってきた。「まあ横綱という大きな壁があるから。明日は明日の風が吹くでしょう」。場所後には妻子が待つモンゴルに戻る。大きな手みやげを持ち帰りたい。【大池和幸】