<大相撲秋場所>◇10日目◇20日◇東京・両国国技館

 グルジア出身で、関取最重量199キロの西前頭11枚目臥牙丸(24=北の湖)が、2日目から9連勝で1敗を守った。立ち合いから豪栄道に両前まわしを取られ、引きつけられて上体を起こされた。さらにもろ差しを許して苦しい体勢が続いたが、とっさに出した右からの小手投げで逆転。「(小手投げは)たまたま。初めて効いた。相手は元三役だし、強いイメージしかなかった。ハッキリ言って、今場所で一番うれしい」。甲高い声がさらに上ずった。

 巨体が大きな武器になっている。この日も不利な体勢だったが、動きが止まると相撲巧者の豪栄道でも動かせなくなった。前日9日目は関取最軽量98キロの隆の山を下し、注目度アップ。「ががまる」のしこ名と似た有名女性歌手レディー・ガガの曲はよく聴き「ダンスも踊る」という。そんな陽気な性格と真ん丸の愛くるしい体形から、日に日に声援も増している。「一番寂しいのは応援されないこと。だからうれしい」と力にしている。

 今日11日目は昨年名古屋場所の新入幕以来、初の大関戦となる把瑠都との欧州巨漢対決に決まった。「強すぎる。でも一生懸命頑張る。相撲は何があるか分からないでしょ」と笑顔。周囲から体重200キロと言われると「199キロだから」と極度に“大台”を嫌う。そんなアイドルのような繊細さも、今場所は好転している。【高田文太】