<大相撲秋場所>◇12日目◇22日◇東京・両国国技館

 関脇稀勢の里(25=鳴戸)が「横綱キラー」の本領を発揮だ。低い立ち合いのまま左からおっつけ、横綱白鵬(26=宮城野)が得意の右差しを封じた。右のど輪を加えて横から攻め、最後は小手投げ。「(相手の)肘にうまく入った。久しぶりにしっかりした立ち合いだった」。最強横綱に何もさせない完勝に息を弾ませた。

 昨年九州場所で白鵬の連勝を63で止めてから、この顔合わせは3勝2敗。八百長問題で中止になった春場所を除く、過去1年間で堂々の勝ち越しだ。横綱戦には特別な思いを抱くが「仕切りの時から熱くなりすぎないように」と自分に言い聞かせて、殊勲の星を挙げた。

 今場所は破竹の8連勝を続けながら、3連敗で急降下。「何かしっくりこない3日間だった。初日から8日間のことだけを思い出していた」。来場所の大関とりにつなげる大きな9勝目。「自信にしてあと3日頑張りたい」と胸を張った。