<大相撲秋場所>◇千秋楽◇25日◇東京・両国国技館

 関脇稀勢の里(25=鳴戸)は三役として自己最多12勝を稼いだ。好調の豪栄道を2秒0で押し倒し。琴奨菊が敗れて3敗で並んだ。優勝決定戦に備え支度部屋でまわしを締め直した。テレビで結びの結果を見届けると、仕方ないとばかりに小さく笑った。「いい場所だった」と充実の15日間を振り返った。

 最後は優勝争いにも加わっただけに「3連敗が悔やまれる」と反省した。それでも切り替えて白鵬を倒し、4連勝締め。三賞すべてに候補者として名前が挙がった。「一番一番集中することの大切さを知った。立ち合いに厳しくいくこともそう。やることはいっぱいある」。収穫は多かった。

 先場所も関脇で10勝。来場所は琴奨菊に続く、大関挑戦の場所となる。貴乃花審判部長(元横綱)は「本人の頑張り次第」と話した。昇進目安33勝には11勝で到達。実力を発揮すれば十分に可能だ。「来場所、何とかしたいですね」。今場所の手ごたえを九州に持ち込みたい。【大池和幸】