大相撲の立浪一門が今日14日、一門会を開き、来年1月の初場所後に行われる理事選に向けた候補者を一本化することが分かった。現職の友綱親方(59=元関脇魁輝)のほか、伊勢ケ浜親方(51=元横綱旭富士)と春日山親方(45=元幕内春日富士)が立候補しているが、複数の関係者によると春日山親方が優勢だという。日本相撲協会が目指す公益法人化に向け、一門内の理解度向上に尽力するなど、熱心に取り組む姿が多くの親方に評価されている。

 候補者選びは通常、11月の九州場所中から始まる。だが同一門は昨年の前回理事選で造反者が出たことで、大島親方(元大関旭国)が落選し、貴乃花親方(元横綱)が逆転当選。他の4つの一門と比べ、結束力のなさを露呈する形となり「みっともない」などの声が上がった。当選には10票ほど必要で、現在16票保有する立浪一門にとって1枠確保は当然でもあるが、ある親方は「ギリギリまでバタバタしているより、結束力の高さを示せる」という。異例の早期始動は、汚名返上への強い意思表示でもある。

 ◆日本相撲協会理事選挙

 68年から始まり、改選は2年に1度、初場所後に行う。投票は年寄、立行司、日本国籍を持つ現役横綱と大関。定数は年寄10人以内と外部3人以内で計9~13人。不祥事による降格などで、現在は外部2人を含めて最少の9人しかいない。投票による選挙は98、00、02、10年と過去4度あり、いずれも年寄の定数10に対し、11人が立候補した。