大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)で大関昇進を狙う関脇稀勢の里(25=鳴戸)が2日、福岡市東区の鳴戸部屋で調整した。この日発売の週刊新潮が、先週に続き鳴戸親方(元横綱隆の里)の暴行指導を報道。稀勢の里には暴行を補助させたと掲載した。これに反応した部屋サイドが「取材制限」を設けるなど、周囲のピリピリムードは増すばかりだ。

 部屋関係者が、集まった取材陣に「(土俵がある建物の)中に入ってもいいが撮影は禁止。撮るなら外から」と説明。日本相撲協会に意向を伝え、前日1日にはなかった取材制限を設けた。渦中の鳴戸親方は両脇をガードされて稽古場と宿舎を往来。「それ(週刊誌報道)は協会に話してあるから」とだけ語った。不穏な空気が漂う中、稀勢の里は淡々と稽古を重ねた。高安ら関取衆とは25勝5敗。雑音を振り払い、大関とりにまい進する。