<大相撲九州場所>◇8日目◇20日◇福岡国際センター

 関脇稀勢の里(25=鳴戸)が辛うじて1敗を守った。大関琴欧洲の鋭い当たりにズルズル後退。しかし徳俵に左足1本で残ると、とっさに左から逆転の突き落としを決めた。まさに九死に“1勝”。立ち合いについて聞かれ「タイミングは合っていたが、大関の方が上手だった。しっかり低い位置から当たってきた。9割方負けていた」と反省した。

 それでも今場所は内容より、結果が求められる。過去10勝22敗の苦手を下したことで、大関昇進目安の11勝へ前進。「力をつけていきたい」。新鳴戸親方(元前頭隆の鶴)は「相撲はよくなかったが、勝てたのが何より」と胸をなで下ろした。