第2次北の湖体制の目玉として、貴乃花親方(39=元横綱)が、大阪場所担当部長に就任することが有力になった。日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で役員改選の選挙を行い、10人の理事が決定。理事の互選で、北の湖親方(58=元横綱)が4年ぶりに理事長に就任することが決まった。昨年は八百長問題の影響で中止になり、2年ぶりの開催となる春場所(3月11日初日、大阪府立体育会館)は、最年少理事に立て直しを託す見通しとなった。

 理事選を終え、2月27日には春場所の番付発表が行われる。新体制となって最初の本場所は、2年ぶりの大阪になる。この日、理事の互選で就任した北の湖新理事長は、各理事の職務の検討を始めた。関係者によると、貴乃花親方を大阪場所担当部長に任命する方向でまとめているという。

 新理事長は前体制で大阪場所担当部長を務めた。しかし、昨年2月に八百長問題が表面化。史上初めて不祥事で本場所が中止になった。2年ぶりの再開は、ファンの減少やスポンサー離れが懸念される。そこで、信頼を置け、全国的に人気が高い貴乃花親方に、バトンを託す見込みとなった。

 貴乃花親方は、支持を得ているグループの親方7人の票に加え、時津風一門から3票、立浪一門から1票を上積みし、合計11票で2選を果たした。理事会後は「票に関しては非公表なので…」と、多くを語らず、国技館を後にした。新理事長からの期待は高く、失敗できない再開の本場所で手腕を発揮することになる。

 すでに春場所担当の親方5人は大阪の先発事務所で、準備を進めている。新職務発表は明日2月1日の理事会後になる。北の湖理事長は就任直後の会見で「みんなが一致団結して、土俵に向けて集中する」と決意を表明した。理事10人の平均年齢は放駒体制発足時の55・1歳から、53・5歳に若返った。フレッシュな力で、相撲界の難局を乗り切っていく。