新大関鶴竜(26=井筒)が夏場所(6日初日、両国国技館)へ向け、リズムを取り戻した。4月30日、東京・墨田区の時津風部屋へ出稽古。幕内臥牙丸、時天空、十両土佐豊、双大竜と22番取って19勝3敗だった。「(前日より)ちょっとましだった。自分の入りたい時に入れた」と振り返った。

 29日の横審稽古総見は、精彩を欠いた。大関として土俵に上がるタイミングを待ちすぎ「自分の相撲が乱れている」と悔やんでいた。この日は、準備運動ができたら即、関取衆の申し合いに参加。周囲に気を使いすぎず、自分のリズムを優先させた。

 それでも、まだ万全ではない。井筒親方(元関脇逆鉾)は「今日はまあまあ。重さがなかったですね。いろんな意味で、疲れてたんじゃないか」と話した。右ひじに着けたサポーターも、疲労による影響が出ていると説明した。

 稽古を見守ったNHK大相撲解説者の舞の海さんは、この日の立ち合いの意図について「ちょっと分からなかった」と指摘。「大関6人の中で、馬力は一番劣る。スピードでカバーしないと」と奮起を期待した。今まで以上に注目される、新大関場所。あと3日間、時津風部屋への出稽古で仕上げていく。【佐々木一郎】