<大相撲夏場所>◇9日目◇14日◇東京・両国国技館

 関脇豊ノ島(28=時津風)に首投げで敗れ3連敗を喫した横綱白鵬(27=宮城野)が、左手人さし指を剥離骨折していることを14日、宮城野親方(元前頭竹葉山)が明かした。休場はせず10日目の鶴竜戦も土俵に上がる。打ち出し後、部屋で白鵬と師匠が話し合った。同親方は「相撲自体は悪くないが、まわしをつかめていない。本人も『出たい』と言っている。なので無になって、自分の相撲を取ろうと話をした」と明かした。初日の安美錦戦で負傷した箇所で、翌日に相撲診療所で左手人さし指第2関節の靱帯(じんたい)損傷で全治1週間~10日と診断を受けている。

 この日は豊ノ島の捨て身技に屈した。9日目を終えて早くも4敗目だ。白鵬は「万全で、勝負が決まったと思った。そこの勝負勘が欠けてますね」と支度部屋では故障を言い訳にしなかった。3連敗は07年名古屋場所で13~15日目に喫して以来。関脇以下からの3連敗は、過去の横綱でも、03年名古屋場所で武蔵丸が3~5日目に連敗して以来だ。今日10日目以降については「いつもの口ぐせだけど、毎場所千秋楽までやりぬく。こんなことで気持ちが参ることはない」と強気だった。

 普段、1分50秒前後の土俵入りが、この日は10秒以上早かった。宮城野親方は「太ももからふくらはぎにかけての、裏の部分にかなり張りがある。だから土俵入りの時のせり上がりも早い」と語った。10日目の朝稽古後はトレーナーを呼び、施術も受ける予定。11日目以降について同親方は「とりあえずは、10日目の相撲を見てから」と休場という選択肢を残していることを示唆した。6大関を相手に結果を残し、横綱の意地を見せるしかない。【高橋悟史】