25日に国民栄誉賞を受ける大相撲の元横綱大鵬の納谷幸喜さん(享年72)が生まれたロシア極東サハリン州中部ポロナイスクで、地元行政府や歴史家を中心に、功績をたたえる銅像の設置計画が進んでいることが23日分かった。地元では「日本で名誉を極めた大鵬は町の誇り」との声が高まり、ロシア外務省も側面支援。ロシアでは異例の日本人の銅像が現実味を増している。

 銅像設置を主導するのは、サハリン州知事顧問で地元の歴史調査を続ける研究者ニコライ・ビシネフスキー氏。大鵬さんが少年期を過ごした北海道弟子屈町を93年に訪れた際に見た大鵬像の主がサハリン出身と偶然知り、強い関心を抱いた。ポロナイスク市は2009年の創建140年式典などの機会に複数回、納谷さんを招待したが「体調不良」を理由に訪問は実現しなかった。推進役のラドムスキー市長は「銅像が完成したら、大鵬さんの子供や近親者を式典に招待したい」と話す。