<大相撲夏場所>◇11日目◇22日◇東京・両国国技館

 エジプト出身で東幕下7枚目の大砂嵐(21=大嶽)が笹ノ山を破り、史上初のアフリカ出身関取へ王手をかけた。立ち合いに失敗し、中に入られかけたが、右からの突き落としで6連勝。「もっと腰を下ろして突っ張らないと。今日の相撲は嫌だ」。内容には不満も、貴重な1勝となった。

 場所前の大型連休は、貴乃花部屋に泊まりがけで出稽古にいった。幕下上位のライバルとの激しい稽古。右肩を打撲、左肩関節炎の代償よりも、大きな自信を得た1週間だった。十両貴ノ岩も「すごく熱心。上半身の力が強い」と認めるほど、わずかな期間で突き押しの威力が増した。

 残り1番は、東幕下43枚目の大河との全勝対戦が有力。勝てば、小錦、把瑠都に並ぶ、外国出身力士最速の所要8場所での十両昇進が濃厚となる。大嶽親方(元十両大竜)は「1日一番で精神的にも強くなっている」。ハワイ出身で元横綱武蔵丸の武蔵川親方も「今の関取にいないタイプだから面白い」と期待した。

 1月に死去した大鵬さんも「関取になる姿が見たい」と、今年の正月に夢見ていた逸材。序ノ口優勝時には、大鵬さんと一緒に好物のイクラ丼を大盛りで食べた。「上がれたら、また食べます」。墓前の報告は優勝しかない。【鎌田直秀】