<大相撲夏場所>◇13日目◇24日◇東京・両国国技館
横綱白鵬(28=宮城野)も全勝対決に目の色を変えた。花道奥のモニターで下手出し投げで決めた琴奨菊戦を確認。ひと言「ヨシッ」。風呂からあがると、報道陣に囲まれた稀勢の里の姿。視線はまったく合わせず。一番奥の上がり座敷に座り「いろんな意味で今までの場所とは違うんじゃないかな」。
最も重要視するのが「年間最多勝」。自身の最多記録86勝更新には1つも負けられない。そして、全勝優勝10回目なら、大相撲の歴史で100回目の全勝優勝の節目。モンゴルの先輩横綱朝青龍と優勝回数も25回で肩を並べる。「今場所は重さがある。もう1つ上に上がるのであれば感情を抑えることも必要。それが美しさであり品格」。結果を出す大関を観察する余裕も見せた。
昨夏から呼吸法を学んだ。四股、すり足、てっぽう…。呼吸しながらの基本運動で細胞を活性化させる。宮城野親方(元前頭竹葉山)も「太ももが太くなり、細い膝下もふくらはぎが盛りあがる。カモシカのよう」と推進力の進化を認めた。立ち合い前の仕切りでは、そんきょの姿勢で手のひらを相手に向ける。大きく息をはく。相手の気持ち、感情をすべて受け入れて戦う意味合いがあるという。
勝利のポイントは「立ち合いがすべてを物語る。呼吸ですから。なんとかなる」。稀勢の里に対し、息を荒らげず「勝ちにいく」と言い、国技館を去った。【鎌田直秀】


