横綱白鵬(28=宮城野)が力士会会長として、巡業三賞復活を提案した。モンゴルから来日した7月31日、成田空港で「昔あった巡業での賞を復活させたい。プロとして1つの励みになる。最近は稽古する人が少ない。横綱と大関しかやっていないでしょ」と言った。白鵬も最近は稽古不足を指摘されているが、その横綱でさえ、関取衆の稽古量には物足りなさを感じている。今月上旬の力士会で諮り、巡業部に要請する。

 95年春巡業から「巡業三賞」が設けられた。関脇以下の力士を対象に最優秀賞(30万円)精勤賞(20万円)努力賞(10万円)。97年夏からは優秀賞のみ。99年春からは企業がスポンサーとなり、01年冬まで継続された。現在は開催都市の勧進元主催のため、すぐの実施は困難も、横綱の提案となれば資金協力の手が挙がり、秋巡業で復活する可能性はある。受賞経験のある玉ノ井親方(元大関栃東)も「我々の時は稽古をやらせてもらえないくらい、みんなやっていた。今は稽古が足りない」と奮起を促した。

 明日2日からは東北巡業が始まる。「(名古屋で痛めた右脇腹は)まだ完璧じゃない。様子を見ながら。今回は遠藤、大砂嵐、千代大龍、高安が目玉かな」。ケガは仕方ないが、賞の復活によって、横綱の稽古時間が、さらに減少しなければいいが。【鎌田直秀】