第71代横綱に昇進した鶴竜(28=井筒)が28日、東京・明治神宮で奉納土俵入りに臨み、雲竜型を初披露した。晴天の下、太刀持ちに勢、露払いに鏡桜を従え、観衆約3300人の前で1分30秒。「しっかり間違えないでやれたと思います」。1つ1つ丁寧に、堂々と所作をこなした。「横綱」「日本一」などの声も上がった。

 師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は「不思議な世界だった」と感極まって目を潤ませた。師匠の長女清香さんも、先代井筒親方で師匠の父でもある故福薗昭男氏(元関脇鶴ケ嶺)の遺影を抱えて見守った。化粧まわしを貸与した北の湖理事長(元横綱)は「締めた本人が良かったから、体も引き締まって見えた。初めてだし上出来」と喜んだ。勢は「右手がプルプル。そんきょも不安定。本場所も巡業もやらせていただきます」と興奮気味に言った。

 次回は30日の伊勢神宮奉納相撲で披露する。鶴竜は「稽古だけじゃなく、学ぶことがいっぱいある。大変な地位についたと実感した。一生懸命努力したい」と誓った。【鎌田直秀】